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ニュース【特集記事03】TISが進めるオープンイノベーション戦略

BIZSPO Labo 事務局
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【特集記事03】TISが進めるオープンイノベーション戦略

その3:インキュベーションの取り組みを“事業”にしていく

 

■事業部から見た時のシナジーを重視

―アクセラレータープログラムを通じて、どういう手応えを得られましたか

田澤:結果論かもしれないですが、担当したドリコスさんの場合、今もどんどん事業が拡大しているのが一番ですね。メディアに取り上げられることも多くて喜ばしいです。ただこの案件に関しては健康経営を中心にした分、アスリート向けの情報が取り切れなかったので、まだまだできることがあったなとは思っています。あと、プログラム上では採択をしてから健康経営テーマで固まるまで、結構時間を要したんです。結果的に実証実験はデモデーまでに完了せず、途中経過のピッチになってしまった。この辺の経験は、次にまた生かそうと思っています。

―今年はじめた「U-Studio」は、どういう特徴があるのですか

田澤:募集期限を決めず、「TISのテクノロジーを使って、あなたのアイデアを具現化する」というところに集中した点が、アクセラレータープログラムとは少し違う点です。実行のためのチーム体制も整えました。

中村:「社会課題にアプローチする」ソリューションを具体的につくりだすために、共創できるチームをつくったんです。このチームが機能することが、具体化するために必要だと考えています。人・物・金・情報含めて我々のリソースを使えるということです!

―ここでも大事なのは、TISの事業部から見た時のシナジーですね

中村:いろいろなパターンがありますが、やはり我々の持つテクノロジーやソリューションとくっついて、外からのアイデアが形になっていくのが、一番わかりやすくシナジーが生まれた例といえます。たとえばAIを用いた融資の仕組みをリリースした会社があるのですが、ここもアイデアを具現化するところに協業させて頂きました。

田澤:事業会社の方が、スタートアップと組んで新たなことをする時にも、そのシステム化を弊社に相談されることがあるんです。同様の発想を弊社側から持ちだして、「御社のこのサービスと、このスタートアップとを組み合わせて、プロダクト設計しませんか」という提案をし、お客様が乗ってくださることも増えてきました。弊社が目指す提案型のスタイルにもなってきているのですが……何事も「シナジーが生まれる」といえると、先に進みやすいなと思っています。

中村:我々の体制も、今は異動者やCV経験者のキャリア採用など、多様な人を入れて強化してきました。違う事業会社で新規事業を立ち上げた経験を持つメンバーもいますね。いろんなところにアンテナも張っています。

■その市場にどれだけインパクトを与えたか、社会にどう貢献したかを指標にしたい

―今後の展望について教えてください。

田澤:難しいですが……やはり「事業をつくる」ですね。

中村:そう。事業・サービスをつくる。そのために、スタートアップとつながり、スピード感を出す。もちろんこれはあくまでの1つのやり方なので、単独でできるならそれでもいいですし、他の事業会社と組むこともあるでしょう。ただ、スピード感を出すとなると、スタートアップとの連携は今のところ欠かせないので。ダメならやめるくらいの勢いで、早めに市場に出すのが今は大事だなと思っています。

田澤:「事業をつくる」というのは、そのモノがどうだったかというより、その市場にどれだけインパクトを与えたか、どれだけお客様先に影響を与えたか、そして社会にどう貢献し、自社の売上にどう有益性をもたらしたかということも含めた効果で考えるべきだと思っています。だから、そのためのマッチングであり、そのためのオープンイノベーションをする。さらに我々は、具現化するためのプログラムやスペース、出資といったスキームも整えてより活性化しようとします。ですので、これから新たな施策をつくるというより、実践しているこのインキュベーションの取り組みを、ちゃんと“事業”にしていくことが大事だと思っています。

中村:社会課題をどう解決するか、という視点は大事ですね。売上だけじゃない視点で考えないと。

-結果的に、それがビジネスの大きな流れもつくっていくことになりますね

中村:そうですね。やはり、「こういう課題が世の中にあって。それをどう解決していく」というミッションがないと、生き残っていけない時代です。単に「この社会課題にあてている」だけだと続かないでしょうね。

田澤:社会課題はいろいろなところにありますよね。スタートアップが注目した課題解決法自体を事業会社のお客様に提案して、共に解決していくというのも、お客様に対する我々の貢献の1つになるのではないかなと思っています。

■新規創出に関わってきた経験から、必然的に今ここに

―ここまで聞いてきて、お二方がなぜ今ここで仕事をしているのか、詳しいプロフィールに興味がわきました!

田澤: 私、高校を卒業してから、イギリスで英語を学んで、向こうでビジネスITを専攻していたんです。現地の大学を卒業したあと、弊社の前身企業に入社して。担当がクレジットカードや、住宅ローン、銀行のシステム開発を手がけていました。

中村:今とは全然関係ないんですよ!

田澤:海外ソフトウェアパッケージを日本にローカライズして、それをお客さんに提供する仕事がその頃は多かったです。要件定義からはじめるSIですね。その開発を担当していました。なのですが、英語ができると重宝されて、通訳・翻訳も担当していたり。銀行インフラをやっていると24時間稼働なので、夜中や大晦日に出勤とかいったこともありました。

TISになってからは、開発より、営業支援に関わることが増えました。その頃、海外・グローバル事業企画のようなことが立ち上がり、新規事業系に携わりはじめたんです。当時企画していたのは、事業企画の審査に落ちてしまったんですけれども(笑)。その後、決済プラットフォームを使ったビジネスなどに関わっていました。そういう流れから2017年に、この部門にきたんです。最初は海外のスタートアップのソーシングみたいなことをしていたのですが、そこは結構障壁があって。今は国内のアクセラレーションをまわしたり、事業協業化推進みたいなことをしています。

中村:とはいえ海外の投資もあるので、結構海外出張もしているんじゃないですか。他のメンバーも積極的にシリコンバレーとかにも行っていますね。僕は飛行機が嫌いなので(笑)。

-中村さんはどういった経緯なのでしょう

中村:僕はずっと営業ですよ。銀行系の部門に入って。で、営業やって、開発やって、また営業に戻ってきた時にある上司から、「一緒に新規事業をやろう」といわれたんです。当時まだ浸透していなかったワンタッチカード決済のサービスをはじめたり。2004年頃……まだガラケーの時ですよ。その事業自体は今別の形に変化していますが。でもこうした頃から新規に関わり、いろんなお客様と話をしてきました。それが今の活動につながっているかなと思っています。

-ありがとうございました。